こんにちは。
今回は、保有株であるピックルスコーポレーション(2925)の決算内容を振り返りたいと思います。
ピックルスコーポレーションについて
ピックルスコーポレーションは、CMなどでお馴染みの「ご飯がススム キムチ」をはじめとした漬物の製造・販売および卸売事業を行っています。時価総額は160億円と規模の小さい会社で今後の成長に期待したいですね。意外にも、創業は1970年代と歴史があるんですね。「ご飯がススム キムチ」発売が2009年。それ以降、急成長しています。
ピックルスコーポレーション「個人投資家向け会社説明会資料」より
漬物の市場規模は3,200億円程と大きくありませんが、同社は約14%と2位以下を大きく引き離してトップシェアを誇ります。米飯離れなどもあり市場は縮小傾向にありましたが、(恐らく昨今の健康ブームによって)キムチが好調で、市場全体としては下げ止まっているとのこと。因みに、同業2位は「きゅうりのキューちゃん」でお馴染みの東海漬物。かつての親会社であり、筆頭株主です。また、同社は成長市場である惣菜のほか、調味料なども扱っています。更にEC、外食、農業など新規事業にも手を広げています。
今後の成長戦略ですが、新商品(惣菜、その他)の投入、販売エリア・サイトの拡大、新規事業となっています。トップシェアですが、まだまだ開拓可能なエリアが残っているので成長余地もありそうです。
直近の業績ですが、21.2期~22.2期上期はコロナ自粛による巣ごもり需要を追い風に好調。22.2期下期以降はコロナ感染が落ち着いたことでコロナ特需の反動減が見られており業績に減速感が出てきました。
そんな中での23.3期1Q決算発表はどうだったでしょうか?
決算内容
6/29に23.2期の1Q決算の発表がありました。
23.2期業績(実績)
売上 (-12.8%)、営業利益-49.3%、最終利益-48.6%
※売上は新会計基準適用の影響で前年同期比での増減率は非開示となっていましたので、カッコ内は手元で計算した参考値です。
減収、大幅な減益となりました。
売上減の主な理由として、(新会計基準適用の影響は除いて)決算短信から以下2点が読み取れました。
- 巣ごもり需要の反動減
- 食料品等の値上げによる節約志向の影響
1つ目は前年下期から続くトレンドです。
2つ目はウクライナ情勢等、今期に入ってから現れてきたものです。
いずれも外的要因です。コロナ時の業績底上げ要因が無くなり、新たに業績押し下げ要因が出てきたと言うことですね。売上総利益に影響を与える野菜価格に関して詳細な数値の開示はありませんが、「原料野菜の価格は安定しました」との記載がありました。使用している野菜(白菜・胡瓜)の主産地は国内のため、為替やウクライナ情勢の直接的な影響は現時点では軽微と見ますが、肥料価格の高騰等の影響による野菜価格の上昇は日々の生活レベルで実感する所なので、今後ジワジワと影響が出てくるのかもしれません。
いずれにせよ、でき過ぎだった前期から見ると厳しいですね。
業績見通し
続いて通期の業績予想です。
23.2月期 通期業績(予想)
営業利益-15.0%、最終利益-17.3%
EPS:136.93円、1株配当:20円(配当性向:14.6%)
業績予想に変更なく、新会計基準適用&巣ごもり需要の反動減のマイナスインパクトで減益予想となっています。ただ、減益幅は1Qから改善する見通しとなります。
見てきた様に1Qは出来すぎだった前期に大きく及びませんでしたが、ここから巻き返していくということでしょうか。1Q終了時点で通期業績予想に対する進捗率は27.0%なので、ここはクリアして欲しい所です。配当予想も変更なく20円/年で昨年同額。配当性向10%台と低いですが、成長投資を行いつつ9期連続増配を期待したい所です。
まとめ
ピックルスコーポレーションの22.3期1Q決算レビューでした。以下まとめです。
- 1Qはコロナ特需の反動減と顧客の節約志向の影響から大幅減益
- 通期見通しに対する進捗率は27%、流石にクリアするか?
- 配当予想は据え置き、9期連続増配を期待したい(希望)
コロナ特需から一転、事業環境は厳しくなりました。ただ、波はありつつ大局的に考えて安定成長は継続すると見ており、現時点で撤退(売却)は考えていません。基本的に買い増しのスタンスですが、期中に業績の下方修正があれば株価的には目も当てられないことになりそうなので、安くても買い増しには慎重にならざるを得ないかなと思います。
ま、お漬物の会社なので、じっくりと漬けておくとします!
旨味が増せば良いですね。
最後までご覧頂き有難うございました。
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